こんにちは 発達障害児の子育て専門カウンセラーHERAI(ヘライ)です。
今回はこれでお悩みの方も多くいらっしゃることでしょう。
子どもの「癇癪(かんしゃく)」についてのご質問をいただきましたので、それに答えていきたいと思います。
Q.「癇癪」を止めさせる方法を教えてください
癇癪にお困りの親御さんは本当に多いです。
張り裂けんばかりに泣き叫ぶお子さんの声を聴くだけでつらい、苦しい、逃げ出したいと思う親御さんもたくさんいます。
「癇癪を止めさせたいんです。なんとかして癇癪を起させないようにしたいんです」
そう訴える親御さんは一人、二人ではありません。
癇癪は家庭の問題だけで済まないこともあります。ご近所からの度重なる苦情、虐待と間違えられ児相に通報されたなんて話も稀ではありません。
かくいう私も、息子の癇癪のたびに憂鬱になり、うんざりし、もうお願いだから静かにしてと懇願し、泣きたいのはこっちだと何度思ったことでしょう。
A.いつかは止まります。待ってください。
残念ながら癇癪を完全にやめさせる方法はありません。
癇癪を止めるため、頭から布団をかぶせて押さえつけたという話も聞いたことがあります。
これは本当に虐待です。
癇癪を力ずくで止めようとすると、子どもはますます恐怖心が増し、余計泣き叫びます。
泣きやめさせるために、怒鳴りつけたり、手を挙げることももちろんやってはいけません。
大人にできることは、ただただ見守るだけです。
変に慰めようと声をかけたり、体に触るとますます興奮させてしまうこともあります。
暴れたり、物を投げたりする場合は、お子さんも周りの人もけがをしないよう環境を整えてください。
壊れやすいものを遠ざけ、お子さんの手が届く範囲には物を置かないようにしましょう。
本当に激しいのはせいぜい20~30分です。それ以上続く場合は、癇癪を増幅させる何かがあるかもしれません。
20~30分、決して短い時間とは言えませんが、お子さんをじっくり観察できるチャンスの時間でもあります。
癇癪が起こる前、お子さんは何をしていましたか?見ていたもの、触っていたもの、周りの音やにおい、周りにはだれがいましたか?
きっかけは何かしらあるはずです。大体の目星をつけておきましょう。
きっかけと思われる事柄をできるだけ遠ざけることで、癇癪の頻度は減らすことができます。
癇癪が起きた時のお子さんの行動にも注目です。
体のどこかを押さえつけていたり、引っかいたりしていませんか?
その部分に何か不快なものを感じているのかもしれません。
癇癪の起こし方にもパターンがあるかもしれません。
大声で叫ぶ➡手当たり次第物を投げる➡ひっくり返り暴れる(仰向け)➡更に泣く(うつ伏せ)➡母親を呼びつける➡母親に罵声を浴びせる➡再び泣く➡ちょっと落ち着く
これは、わが子の癇癪パターンでした。
このパターンが見えてくると、呼びつけられても、ああそろそろ終わりに近づいてるなと予測が立つので、イライラせずに待つことができるようになります。
可能であれば、防音対策を施したクールダウン部屋を用意し、癇癪が起きたらまずそこに連れ込み落ち着くまではそこにいさせてください。
罰として部屋に入れるのではありません。
「大きな声出したら、あのお部屋に閉じ込めるよ!」と脅すのは絶対にNGです。
普段からゆっくり落ち着けるお部屋として使用しておくといいでしょう。お気に入りのぬいぐるみやタオルなどがあるといいですね。
優しく、こっちで落ち着こうね、向こうから見ているからね、落ち着いたらまた来るよと伝えましょう。
癇癪は赤ちゃんの泣き声と同じ
癇癪は、赤ちゃんが泣くのと同じです。
赤ちゃんは言葉を発することができません。泣き方でいろいろな要求を表現します。
成長しても、言葉ですべての気持ちを言い表すことが難しい子は、赤ちゃんと同じように泣いたり叫んだりして何かを訴えているのです。
普段の会話が問題なくできている子でも、自分の気持ちや感情を言葉にするのが苦手な子もいます。
感情が高ぶると、余計に言葉でいうのが難しくなってきます。
あんまり癇癪がひどいと、発達障害なのではと疑う方もいらっしゃいますが、癇癪があるというだけでは何とも言えません。
発達障害があってもなくても癇癪は起きます。
癇癪が起こる理由は違ってくるかもしれません。
発達障害のあるお子さんの場合、特定の音やにおいに反応して癇癪につながることがあります。
また、こだわりの強い物事を止められたり、自分の思い通りにならなかったとき特に激しく癇癪が起こることがあります。
でも親御さんの対応の仕方に違いはありません。
冷静に、感情的にならずに、淡々と愛情をもってやり過ごしましょう。
ご自身がお子さんの声がうるさくてつらいという場合は、イヤーマフを装着してみたりイヤホンで落ち着く音楽を聴いたりしてみてください。
癇癪を起したくて起こしている子どもはいません
癇癪を起しているとき、お子さんはどんな気持ちなのか考えたことはありますか?
もちろん、何かが気に食わなくて怒っているのですが、怒るという感情の裏にはもっと違う感情が潜んでいます。
「怖い」「気持ち悪い」「びっくりした」「不快」「眠い」「甘えたい」「こっち見て」「お話聞いて」「スマホ見ないで」等々
その怒りの裏の感情をうまく言えない、うまく出せないからこそ、癇癪となって激しい行動が生まれてくるのです。
決して、親を困らせてやろう、物を破壊してやろう、この世のもの全部壊れてしまえ、世の中の全員大嫌いだなんて思っていません。(口では言うかもしれませんが)
癇癪を起しているときのお子さんは楽しそうですか?気持ちを爆発させて気持ちよさそうですか?
一番きつくて辛いのは、癇癪を起している本人です。どうしていいかわからないのは当の本人なのです。
癇癪を起こしたくて起こしているわけではない、そのことはしっかり胸に留めておいてくださいね。
そして癇癪が落ち着いたら、怒りの裏にあった本当の気持ちをできればお子さん本人の口から言ってもらいましょう。
そのために親御さんは、しっかりお子さんのお話を聞いてあげてください。
お話しするのを嫌がる場合は、無理にそこで話させなくてもいいです。
お風呂や寝る前などよりリラックスした雰囲気で、お話してみてください。
とはいっても、耐えられないあなたには…
子どもがギャーギャーと辛そうに泣きわめいているのを、冷静に落ち着くまで待つというのはなかなかの試練ではあります。
お子さん以上につらい気持ちになってしまったり、お子さん以上に怒りが湧いてきたりしてしまう方もいらっしゃるかもしれないですね。
そんな方は、お子さんとの適切な距離感を保てなくなったり、過去の出来事から不自由な信念を持っていたりしているかもしれません。
そのままの状態でお子さんに接していると、ますますお子さんの癇癪を増長させてしまう可能性もあります。
そうなる前に、親御さん自身の心の状態を整えておきたいですよね。
カウンセラーはその心の状態を整えるお手伝いができます。
一人でやるのは難しくても、カウンセラーと一緒なら適切な方法で、最短の時間で心を整えることができます。
気になる方は、お試しカウンセリングへお申し込みください。