こんにちは 発達障害児の子育て専門カウンセラーHERAI(ヘライ)です。
前回から、小学校の就学相談会について、私の経験も踏まえながら、細かく説明させていただいています。
今回は、「サポートブック」を作るメリットについてお話させていただきます。
サポートブックとは?
サポートブックは、簡単に言うとお子さんについての説明書です。
お子さんの基本的な情報(名前・年齢など)、好きなもの・嫌いなもの、できること・できないこと、できない場合どのようなサポートが有効かなどをまとめたものです。
検索すると、たくさんのひな型が出てくると思います。
各自治体や事業所で様々なひな型や書き方を紹介しているので、自分が書きやすいものを選んで作成されるとよいでしょう。
なぜサポートブックを作るの?
就学相談を受けるうえで、サポートブックの作成は必須ではありません。
サポートブックは、就学相談のためだけに作るものではなく、ご自身のお子さんへの理解を深めるとともに、将来的にお子さん自身がセルフサポートできるための手助けとなるものです。
具体的には、以下のようなメリットがあります。
✔ 今のお子さんの現状を言語化することで、現状を客観的に把握できる
✔ お子さんのできること、できないことが整理できる
✔ お子さんの好き、嫌いが整理できる
✔ できないことに対し、どのようなサポートが必要か整理できる
✔ 上記のようなことが、一目でわかるので共通理解が得られやすい
✔ 面談やほかの書類作成の際の基準になるので、場面場面で説明がぶれない
✔ 育児日記の代わりになる
✔ お子さんの自己理解のツールにもなる
サポートブックを作っておいて良かったこと
私が息子のサポートブックを初めて作ったのは、息子が年中の2月くらいでした。
まもなく年長に進級にするというくらいで、療育の先生に作っておくことを勧められました。
その頃、私は息子の就学先をどこにしようか悩んでいました。
悩んでいたポイントとしては
・知的に問題はない(校区の学校には知的の支援級しかない)→支援級はないかな
・隣の学校には情緒支援級がある(通えないわけではないな)→情緒支援級はありかも
・情緒支援級に行かないといけないほどの困り感はあるのか→何とも言えない
・普通級だと本当に無理なのか→やっていけないということもなさそう
・なんのサポートもなくて大丈夫か→なんにもないのはなんか不安
など、非常にふわっとしたものでした。
ふわっとしているので、自分でも決め手に欠け、なかなか決断がつかないという状況でした。
このふわっとした部分を、細分化し言語化することで、息子自身の良いところも問題になりそうなところも明確化していきました。
サポートブックに書くということを意識できたので、普段無意識的にやっていた息子への問題行動への対応も、こうしたらうまくいく、これはだめだったと判断がつけられるようになりました。
また、保育園の先生にもサポートブックに書きたいのでとお願いし、園での困りごとやそれに対する先生の対応を教えていただくこともできました。
集団で苦手な場面やどういうタイプの子を苦手とするのか、普段の家での生活ではわからないことを知ることができました。
サポートブックを作成してから就学相談会に臨んだので、提出資料もサポートブックに沿って書くことができましたし、実際の面談の場面でも伝えておきたいことをしっかり伝え、後からあれも言えばよかったという後悔はありませんでした。
サポートブックを作っていなければ、面談の場面でもふわっとしたことしか言えず、対応する人する人によりこちらの言い分も変わってきてあやふやで、混乱を招いていたと思います。
サポートブックは、半年ごとに更新をしています。以前のものもすべて残しています。
そうすることで、息子がどれだけ成長したのかもわかります。
就学後、学校の先生、放デイの先生、スクールカウンセラーの先生など、関わってくださる周りの方々にもサポートブックを渡すことで、現状を理解していただき、また共通理解を持っていただけるので、一貫した指導やサポートを受けることができています。
関わる人たちが同じ方針で動いてくれるというのは、息子にとってとてもよかったと思っています。
周りの大人がそれぞれいうことが違っていると、子どもはどれを信じていいのかわからなくなり混乱していきます。
その心配がなくなったのは、とても大きな意味があることだと思います。
サポートブックはあなたとお子さんの未来の手助けをしてくれます
このように、サポートブックは就学相談だけでなく、その後の子育てや学校生活においてもとても役立ちます。
発達特性の有無に関わらず、すべての親御さんにサポートブックの作成をお勧めしたいです。
お子さんが中学生・高校生とだんだん自立していく時にも、サポートブックが役に立つでしょう。
小学生くらいまでは、親のサポートを全面的に受けながら生活していくでしょうが、思春期になると親からの自立が課題となってきます。
そうなってきたとき、自分自身を理解していること、必要なサポートを自分で求めることができること、自分自身で解決できるところはしていくことなどが求められます。
その時、サポートブックは自己理解のための有益なツールになってくれるでしょう。
作り始めは労力がかかりますが、長年にわたって使えるこの世にたった一つしかないお子さんの説明書です。ぜひ、作ってみてください。
親子のためのペアトレコースを受けていただいた方には、サポートブックの添削を行っています。
サポートブックを作るうえで必要な客観的視点を持つ方法もお教えしています。
気になる方は、まずはお試しカウンセリングへお申し込みください。
次回のブログでは、「サポートブックの作り方」を説明しますね。