【発達障害の疑問】学校見学って何を見ればいいの?

発達障害の素朴な疑問にお答えします

こんにちは 発達障害児の子育て専門カウンセラーHERAI(ヘライ)です。

就学相談に関する記事を続けて書いていますが、今回は第5弾になりますね。

本日の疑問は「学校見学って何を見ればいいの?」

ひとえに学校見学と言っても、通常級、支援級で雰囲気も、学級づくりも違います。

もちろん学校が違えばその差は大きくなります。

行ってはみたけど、何しに行ったんだろう? 時間の無駄だった、ということにならないよう、見るべきポイントを押さえておきましょう。

学校見学とは、文字通り学校を見学することです。

就学相談を考えているならば、相談の申し込みをした段階で、必然的に学校見学をすることを求められるかもしれません。

学校見学が必須でなくても、見学はしておいた方がいいでしょう。就学先を決めている方も、普通級・支援級それぞれ見学してみることをお勧めします。

その理由は

1.お子さんの特性へのサポートが受けられるのか確認できる

2.その学校に通う上での問題点・課題が見えてくる

3.事前に学校がどういう所かお子さんに伝えることができる

が挙げられます。

就学相談を受ける以上、通うことになる学校にお子さんの情報は伝わりますが、だからといってあとは学校に丸投げでいいというわけではありません。

実際の学校現場で、自分の子ならばこういう所は適応できそう、ここは難しいかもという点を肌で感じることは重要です。

その上で、改めてどのような支援や配慮が必要なのか、学校側も一緒に考えていくことができるようになります。

また特性のあるお子さんの多くは、大きな環境の変化に弱い傾向があります。

しっかりと親御さんの目で見たことをお子さんに伝えることで、早いうちから新しい環境へ行く準備をしていくことができます。

もし可能であれば、お子さんも一緒に見学に行かれてみてください。

お子さん自身の反応を見て、どこがふさわしい環境なのかじっくりと考えてみましょう。

まずは学校全体の雰囲気を見てみましょう。

なんとなく落ち着かない、騒がしい、静か、元気いっぱい、あいさつができている、掃除が行き届いているなど、学校に実際に入ってみると意外とそれぞれの学校で特色があります。

学校目標から、その学校の目指す子ども像も見て取れます。

公立学校であれば職員の異動はもちろんありますが、校長先生や特別支援コーディネーター、支援級の主任の先生、スクールカウンセラーの先生などから、学校側の姿勢、支援体制などを聞いてみましょう。

小学校入学の第一の難関として、登下校問題があります。

それまでは保護者の方が送迎をしたり、園の送迎バスを利用したりして、お子さん一人で登園をすることはありませんでした。

ご自宅から学校までの道のりと、お子さんの特性を考えたとき、お子さん一人での登下校は可能なのか支援が必要としたらどんな方法か、実際に歩いたり、公共交通機関を使ったりして確かめてみましょう。

また、教室の配置も確認しましょう。

学校によっては、同じ学年が同じフロアに並んでいるとも限りません。

空間把握が苦手なお子さんの場合、教室の位置の調整や、教室までの案内表示などが可能か確かめましょう。

トイレや下駄箱の位置や、使用状況などの確認も必要です。

学校の先生の仕事の一つとして、教室づくりがあります。

教室づくりとは、子どもたちが安全に、かつ快適に学校生活を過ごせるよう教室の環境を整えることです。

担任の先生の個性が出るところでもありますが、学校全体としての方針もあるはずです。

気が散りやすい特性のあるお子さんならば、掲示物の位置や、教室全体の色使いはどうなのか、疲れやすいお子さんであれば、休息が取れるような場所の確保ができそうかなどを確認しておきましょう。

発達に不安があるというお子さんでも、もちろん通常級に所属することができます。

その際「加配」と呼ばれる、サポートについてくれる先生の配置は可能か、先生に限らず支援員やボランティアの配置はあるのか、またどのようなサポートに対応可能なのかを確認しましょう。

クラスの人数も学校によって違います。一クラス35人の学級と20人の学級では、先生の目の行き届きやすさも違いますし、お子さんの過ごしやすさも変わってきます。

通常級と同様に、支援級の場合も学校によってクラスの人数が異なります。

一クラス8人のところもあれば、3人程度のところもあります。もちろん入学してくる人数によってクラスの人数は変わりますが、参考までに聞いておきましょう。

また、来年度支援級の増設が予定されているかどうかも確認しておきましょう。増設される場合は、一クラスの人数が少なくなるかもしれません。

可能であれば、現在どのような特性のあるお子さんが所属しているのかも聞いてみましょう。

(守秘義務があるので断られる場合もあります)

お子さんに聴覚過敏があるのに、癇癪を起す子と同じクラスになっては支援級と言えどもすごしやい環境とは言えないでしょう。

特性を配慮したクラス分けが可能かどうかも確認すべき点です。

支援級には普通級にはない様々な支援ツールが用意されていることが多いです。

周りが気になりやすい子のためのパーテーション、姿勢を保つためのクッション、手先が不器用な子でも使いやすい文房具など、その種類は様々です。

教室内の掲示物も可視化しやすく工夫されています。

お子さんの特性に合うものが用意されているのか、ない場合用意は可能か確認してみましょう。

通常級同様、下駄箱から教室までの道のり、教室からトイレまでの道のり、専用のトイレがあるのかなど施設の確認も必要です。

支援級の場合、生徒8人に先生1人が最低人員配置の基準となっています。

そのほかに、通常級同様、加配の先生や支援員・ボランティアの方が配置されている場合があります。

通常級よりも、支援級へサポートに当たる人員を割いている学校がほとんどですが、毎日配置になるのか、教科によるのかなど、そこは校長先生の采配次第です。

子どもたち

支援級に属する子は、教科によっては通常級で授業を受けることができます。

高学年になると、朝の会、帰りの会以外は通常級で過ごすという子もいるくらいです。

しかし、2022年に「特別支援学級に在籍している児童生徒については、原則として週の授業時数の半分以上を目安として特別支援学級において児童生徒の一人一人の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じた授業を行う」とした通達が文科省から各都道府県に出されました。

この通達を受け、各市町村の教育委員会へ通達に従った指導をするよう都道府県からお達しが出ている地域も少なからずあります。

最終的な決定権は各学校にあるのですが、学校の方針としてどうしていくつもりなのかも確認していく必要があるでしょう。

支援級の担任の先生は、特別支援教育のエキスパートだと思っていませんか?

実はそうでもありません。

昨今ニュースでも聞いたことがあると思いますが、教員は常に人材不足です。

特別教育に携わった経験がない先生でも、支援級の担任を請け負うことは珍しくありません。

もちろん現場の先生方は、子ども一人ひとりの特性に合う教育をできるよう日々学ばれ、努力と工夫を欠かさずにしてくださっています。

しかし、なかなか対応できずにいる現場があることも現実です。

学校全体として特性のある子どもとどう向き合うのかということが、一人一人の先生方の接し方にも表れてくるはずです。

見学に行った際は、先生と生徒の会話もよく聞いてみてください。

また、お子さんの特性上考えうる問題に対して、似たような状況が起きたらどのような対応をしているのか聞いてみましょう。

普通級に所属しながら、週に1~2時間程度、その子の特性に応じた指導が受けられる通級指導を選ぶこともできます。

その学校に通級指導クラスがある場合、ない場合があるでしょう。

どちらにせよ、通級を利用している子はどの程度いるのか、通級に行っている間受けられなかった授業のサポート体制はあるのか、通級に行くことを同じクラスの子たちにはどのように伝えているのかなどを聞いてみましょう。

支援級を選んだものの、いざ学校に通いだしたら問題なく通え、通常級での授業も問題なく受けることができたという場合、通常級への移籍を考えるかもしれません。

その場合、まず移籍が可能か、可能だとしたらどのタイミングでできるのか(進級、学期、随時など)、可能と判断する基準は何かなどの確認をしましょう。

また逆に、普通級で入学したものの、やはり特別な支援が必要と感じ支援級へ移籍するということもあるでしょう。

その場合も同様に、移籍が可能か、タイミングは、基準はなどを確認しましょう

学校全体として、特別支援が必要な子どもの教育をどう考えるのかも違ってきます。

なるべく通常級との交流を増やしたいという考えの学校もあれば、個別の細やかな指導を重視する学校もあるでしょう。

親御さん、お子さんのニーズと学校方針にずれがないか確認しましょう。

通常級・支援級それぞれの見学ポイントをお伝えしました。

たくさんあって、大変だ!と思ったかもしれませんが、お子さんが適切なサポートを受けながら楽しく学校生活を送るためには必要なことです。

見学前に必要なサポートが何なのかわかっておかないと、見学に行ってもただ説明を聞いておしまいとなってしまいます。

見学に行くためには、お仕事の調整をして時間を作って、わざわざ行くわけですよね。

それだけの労力を使うのですから、お子さんにとって有意義なものにしていただきたいです。

また入学前に、学校の先生と直にお話しできる機会はそう多くありません。数少ないチャンスです。

学校との関係づくりをしておくことは、入学後スムーズにサポートを受けるうえで非常に重要です。学校と親御さんとでお子さんの共通理解をもっていることが、適切なサポート体制づくりにとても重要だからです。

以上のように学校見学はお子さんの就学先を決めるうえで、非常に重要なものです。

前回で説明したサポートブックを学校見学の時に持っていけるといいですね。

【発達障害の疑問】サポートブック作成の6つの手順 ←何度も確認してみてください

サポートブックうまく作れない、学校側と話すのは苦手…という方は、カウンセリングをご利用ください。

カウンセリングを受けられた方には、サポートブックの添削や学校と話すうえで必要なメンタル作りなどのサポートができます。

気になる方は、お試しカウンセリングをお申し込みください。

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