こんにちは。発達障害児の子育て専門カウンセラーのHERAI(ヘライ)です。
発達障害の診断についての話題を何度か書いてきましたが、「診断を受けると、発達障害であることが周りに知られてしまう」と考える方が多いようです。
でも、私は「診断を受けること」と「周りへの告知」は別のことだと考えています。
今回は、その違いについてお話しします。
診断を受けること・周囲の人への告知
診断を受けることは、自分の特性を理解するための個人的な活動です。
一方で、周囲の人への告知は、その特性を伝えることで、適切な支援を受けるための社会的な活動です。
このように、「自分を理解するための診断」と「周りに対応を求めるための告知」という違いがあります。
診断・告知をした場合、しない場合
ここで、自閉スペクトラム症(ASD)の特性を持つ二人のお子さんの例をご紹介します。
小6のA君は、教室での些細な音が気になり、つらさを感じていました。
また、人前に出ると緊張してしまい、言葉が出づらいこともありました。
A君はASDの診断を受け、その結果を先生とクラスメイトに告知しました。
その結果、授業中は個別のスペースを設けてもらい、テストは保健室で受けられるようになりました。
クラスメイトも、A君と話すときはゆっくり待ってくれるようになり、学校生活が大きく改善されました。
一方、小4のBさんは、こだわりの強さとコミュニケーションの困難さがありました。
BさんもASDの診断を受けましたが、ご両親は本人や周囲の人には告知しませんでした。
Bさんは学校で一人で過ごすことが多かったですが、それを苦にしていませんでした。
また、絵画教室に通い、好きなマリーゴールドの絵をたくさん描きました。
その結果、Bさんは絵画コンクールで特別賞を受賞し、個展を開くことができました。
この個展がきっかけで、多くの絵画好きの人とつながりができました。
診断と告知の選択肢の意義
A君とBさんの例からわかるように、診断や告知は、それぞれの子どもにとって異なる意味を持ちます。
A君にとっては、診断と告知が学校生活を改善する重要な手段となりました。
一方、Bさんは、告知をしなくても自分のペースで才能を発揮し、豊かな生活を送ることができました。
どちらの選択も、その子にとって最適な道を見つけるための方法です。
それぞれの選択が持つ可能性
診断と告知の選択肢には、どちらが正しいという決まりはありません。
それぞれの子どもの特性や環境に合わせて、最適な対応を見つけることが大切です。
A君とBさんの例が示すように、どちらの選択もその子の強みを活かし、生きやすい環境を作るための手段です。
診断と告知における柔軟な対応の重要性
最終的に、診断や告知をするかしないかは、子ども一人ひとりのニーズに応じた選択です。
どちらの選択も尊重されるべきであり、親や教育者、専門家が連携して、その子どもが自分らしく生きるための環境を整えることが最も重要です。
子どもたちが安心して自分を表現できる環境を提供することが、彼らの未来にとって大切なことです。
親が子どもに最適な方法を見つけようとするのは当然のことです。
しかし、その過程で親の理想を押し付けてしまうことは避けたいものです。
子どもを客観的に観察し、その良い点を見つけ、伸ばしてあげることが大切です。
そのためには、親自身の心の持ち方やマインドが重要です。
もし、どのように子どもと向き合えばよいか迷われている方がいらっしゃれば、私が提供している「親子のためのペアトレコース」をぜひご検討ください。
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